平成27年は、「戦後70年」ということで、マスコミでも数多くの話題が取り上げられました。当会でも秋のイベントでは「〜今と昔〜」展を開催しましたが、ずっと心に秘めていたお話しや、町の変貌を惜しみながらの熱いお話に暫し時を忘れるほどでした。必ずや、次世代に繋げていくべき貴重なお話だと思いつつ、平穏な日々に感謝、感謝です。
常駐している佐助邸も、洋館は大正5年、和館は大正12年に増築され、大正、昭和、平成と、かれこれ100年の歴史を刻んできています。空調設備も当然ない当時の建物、お日様のぽかぽか縁側、頬をなでる心地よい風は最高の建造物だったのだと思います。今も同じ状態の建物に、来邸される方々も年代によって感じ方は様々ですが、一様に“ほっとしますね“の言葉に全てが語り尽くされている気がします。そんな中、貴重な建物の保存のため、襖の補修が行われています。
一方、前庭では枯れてしまったかと思われていた「トベラ 注1」が新芽を出しました。花が咲くとモンシロチョウや小鳥がきて遊んでいた木です。自然の営みの凄さに感動です。何処にエネルギーが潜んでいたのでしょう。何か良いことがありそうな予感がします。今まで、実のなることさえ気づかなかった塀際のトベラは真っ赤な実を付けており、そっと語りかけてくれました。本当に“びっくりぽん”でした。年の締め括りに、皆さまにも幸せのお裾分けでしょうか。
今年1年間、お付き合いいただきありがとうございました。お揃いで良い年をお迎えください。
注1:節分に、この木を扉に挟んで邪気を払う風習があったため「とびらの木」がなまって付いた名前。
修復された襖 | 静寂の前庭 |
柔らかな陽ざしの中で | 幹には大きな空洞が・・ |
トベラの実 | お節に必要なクチナシ |
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