佐助邸あれこれ 「令和の幕開け」

 5月1日・・いよいよ新元号「令和」のスタートです。「令和」には人々が美しく心を寄せ合う中で、新しい文化、新しい時代を切り開いていくという思いが込められているとのことです。当会は平成に発足、先輩たちの足跡を大切に高村光太郎の「道程」のように着実な道を築いていけることを願いたいと思います。

 佐助邸は大正、昭和、平成を経て、令和へと歴史を紡いでいきます。邸内には大正浪漫が漂い、穏やかな日常生活があった史実を見ることが出来ます。 門にはクロマツ「見越しの松」がそびえ、喧騒の日常から「静」へと誘ってくれます。

 門をくぐると、新緑とツツジがお出迎え、そこから上を見るとシュロの雄花の花序が前庭から優しく語りかけてくれます。是非見つけてくださいね。
 新緑や足元の草花には、蝶や小鳥が御来邸・・そんな和やかな日常がそこにはあります。大正浪漫漂う建造物も視線を変えてお庭から観賞すると新たな発見に繋がるかも知れませんよ。時には新緑との競演をお楽しみください。室内にも様々な意匠が施されていますが、今回は邸内の花々にスポットを当ててみましょう。

 「令和」の幕開けに佐助邸の亥の目を探してみましたが、ありました、ありました!2階の和室の地袋にハート(猪目)の取っ手。中に二葉葵(双葉葵、賀茂葵注1)が描かれています。二葉葵はハートが二枚、これも猪目?でしょうか。何だかワクワクします。5月頃、可愛い淡紅色の花を咲かせます。徳川家康が松平家の家紋二葉葵に1枚加え(3枚を図案化)「三つ葉葵 (葵巴)」にしたとも言われています(諸説あり)。御紋控書によれば葉脈が33あるのが正当だとか。
 視線を欄間に移すと、桐の1枚板に「鳳凰と桐」、「八重の菊」が彫られ、荘厳さや神秘さを醸し出し、古の生活が垣間見られるような雰囲気です。
 洋館2階の襖絵には、秋のキキョウやススキが描かれ、それぞれの部屋毎に工夫され、優しい気遣いが隠されています。

 洋館、応接間のシャンデリアは「アカンサス」の彫刻です。ギリシャの国花で不死を象徴し、重厚な洋風建築によく似合っています。この他にも邸内各所に設えられている草木が、優しく語りかけてくれることでしょう。時には、縁側で日向ぼっこも一興かも知れませんよ。まったりと古の生活を疑似体験してみては如何でしょうか。
注1:古来、賀茂神社の催事に用いた(広辞苑)、上賀茂神社の神紋でもある。
   葵祭は平安時代から続いている京都三大祭りの一つ。

    新緑の前庭   シュロ(青空に映えて)
   ハートの取っ手   二葉葵の花(徳川園撮)
  欄間透かし彫り(八重菊)   夏障子(木瓜紋と花?)
  洋館を際立たせ・・   カーテンレールの意匠

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