徳川園の新年

明けましておめでとうございます。

 今年の干支は壬寅(みずのえとら)で、干支は十二支のほかに10種類の十干を組み合わせたものです(六十干支)。今年の干支の寅は、寅に生まれる前は夜空の星だったのではないかと考えられていたそうです。決断力や才知、才覚の象徴で「始まり」の意味もあって、縁起の良い動物とされています。成長、年の始まりに相応しい寅年ですから、今年は平穏な年となると良いですね。因みに徳川家康も「寅年(壬寅)」生まれだそうです。
 1月2日、徳川園では「射初め式」が開催されており、新たな年の始まりを感じつつ、神聖なひとときを共有出来ました。

 家康といえば徳川園黑門に飾られている門松は、3.5㍍もあり江戸時代の作り方を再現し“そぎ”といわれる家康の三方が原の戦いに由来するものです。名古屋城にも再現されている由緒あるものです。(前回を参照下さい)
 また、19代の義親は「虎狩りの殿様」といわれており、徳川家と不思議な「虎の繋がり」が見えてきました。
 庭園内には「虎仙橋」「虎の尾」など虎に関係する名前が散見されます。
「四睡庵」にも虎にまつわるお話しがあります。これは禅の境地を示す画材(四睡図、重要文化財)の一つで、豊干禅師と弟子(寒山、拾得)が“虎”と仲良く眠っている情景を表しているものです。四睡庵のイスは卍になっています。お休みどころともなっておりますので、じっくり観察してみて下さいね。この四睡は日光東照宮の陽明門にも彫刻され(修復が終了)、当時を垣間見ることも出来ると思います。このような時期ですので多少の制約はありますが、ゆっくり、まったり寿ぐ新春をお楽しみください。

 愛知商業高等学校の弓道部の皆さん(11人)による「射初め式」が2年ぶりに菖蒲田で行われました。10メートル先(正式競技は28メートル)の扇の的に見事に的中すると大きな拍手が巻き起こりました。因みに江戸時代には将軍の上欄のもとに盛大に行われたそうです。徳川繋がり・・・ですね。

 「寅」という漢字は、弓矢を両手で引き絞る形をした象形文字です。元は引っ張る、伸ばすといった意味で使用されていましたが、矢を放たれる準備段階を表していることから「動き始め。始動」といった意味が派生したそうです。 そう考えてみると射初めは的を射ていますね。初笑い!? 

 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

黑門の門松、梅は結び梅 花餅(餅花柳枝垂れ)
虎繋がりは他にも?! 尾張万歳も園内を巡って
射初め式へ・・・ 集中して的をねらって・・
冬ボタンは優雅に 藁ぼっちに包まれて

 

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