あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします
「万葉の 心に還り 若菜摘む(大場美夜子)」
二十四節気で1月6日は「小寒」で、寒の入りとなり本格的な冬へと向かいます。初侯は「芹乃ち栄(せりすなわちさかう)」で、春の七草の一つ「せり」が生え出す時期です。
そして1月7日は五節句の一つ「人日の節句」で、この日には七草粥を食べ邪気を払い一年の無病息災を願う日本の古い風習と、中国の節句が融合したのが由来と言われています。
日本では、今から1300年ほど前の奈良時代から雪の間から出た新芽を摘み植物の生命を頂く「若菜摘み」という風習があり、万葉集や百人一首にも詠われています。
庶民へ広まったのは江戸時代で現在では季節の行事として人々の生活に根付き、七種類の若菜を入れて七草粥として食します。ただ昔から地域によって七草粥に入れるものは異なっていたようです。本来は新芽の力を頂くという目的でした。
七草は「せり、なずな」「ごぎょう、はこべら」「ほとけのざ」「すずな、すずしろ」です。覚え方は色々あるようですが、「五・七・五・七」で覚えるのも一つの方法です。大切な伝統行事を継承していけるといいですね。
一歩外に出ると、水仙や蝋梅などの香が風に乗って参ります。徳川園では今、「かんを遊ぶ 冬牡丹(1/2~2/19)」を開催中ですので、諸々の芽吹きを探しながら散策してみました。この冬牡丹は島根の大根島で温度管理をされ、わらぼっち(わら囲い)に抱かれ【紫・赤・白・ピンク・黄・・】など20種類70鉢が優雅に凛とした佇まいで園内を彩っています。静寂の園内が、この場所だけは一際はなやぎ優しく微笑かけているようです。お目当ての牡丹を見つけシャッターを押す人、ゆっくり愛でる人と鑑賞方法は様々ですが初春に相応しい穏やかな空気が流れていました。この牡丹、さすがに百花の王と言われるだけあって気品に満ち威風堂々と散策の足を引き留めさせていました。園内では紅白の茶梅(さざんか)や磯菊、子福桜が見頃です。この他、徳川園で最初に咲くという青軸(梅)や馬酔木(あせび)、みつまたなどの芽吹きが始まっています。ゆっくりまったり散策して草木の息吹を感じてみてはいかがでしょうか。
春の花は、厳しい冬を越さないと美しく咲かないそうです。コロナの収束を願いつつ、私たちは明るく楽しいガイドを心がけていきましょう。
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