「東区文化のみちガイドボランティアの会」が名古屋市東区「文化のみち」の魅力を紹介します
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早春賦

 日一日と陽射しに強さを感じるのは、間もなく啓蟄を迎えるという嬉しさからでしょうか。とは言え、「春は名のみの 風の寒さや・・・」とあるように、不意に流れる北風は冷たいものがあります。この歌はモーツアルトの「春への憧れ」に曲想が似ているとか、興味のある方は併せて聞いてみてはいかがでしょうか。そして早春の頃の季節感をまさに言い当て、春告げ鳥(ウグイス)の鳴くのが待ち遠しいです。春告げ草の別名があるというウメの便りはどんどん届いていますので・・・

 散策の途中に空を見上げると、透明度の高い青空にぽっかり「わた雲」が浮かんでいました。視線を落とすと、足元には草花が芽吹きはじめ、その中でも「たんぽぽ」の黄色は一際目立ちますが、傍らではハコベやナズナ(ぺんぺん草)が白い顔を覗かせています。垣根越しに、ほのかに匂うロウバイやウメやマンサクに引き寄せられ、思わずシャッターを押していました。

 東橦木公園(東区筒井)のカワヅサクラ(注1)は早くも見ごろを迎えています。同じ東区でも大曽根駅周辺のカワヅサクラは咲き始めたばかりで、環境の違いは時期を微妙に変えているようです。道行く人々も心待ちにされていたのでしょう、暫く立ち止まって見つめてみえました。

 徳川園では、今は冬ボタン、ウメ、ボケ、アセビなどが競って咲いています。ミツマタ、フッキソウの春待ち顔の芽吹きもあり、間もなく素晴らしい花の祭典の時が訪れるのでしょう。
 龍仙湖では今まで冬眠していた?鯉が悠々と泳いでいました。やはり水も温(むる)み始めているのでしょう。そして湖面の陽だまりではカルガモ、マガモ、オオバンが仲良く羽根を休め、穏やかなひとときを満喫しているかのようでした。

 時にはゆっくりと、規則正しく訪れる自然の営みを眺められてはいかがでしょうか。思いがけない出会いが待っているかもしれませんよ

カワヅザクラ 東橦木公園は見頃  満開のロウバイ
佐助邸のウメ  建中寺(紅梅) 徳川園(白加賀)
 仲良く・・  空に向かって  彩りを添えて

注1:東区制100周年を記念して昭和20年4月1日に植樹されたもの
   東橦木公園については、こちらからもどうぞ

文化財を訪ねて・・文化のみち二葉館

 国の「登録有形文化財」に登録されている「文化のみち二葉館」において、「ふたばの日(注1)」の催事が開かれました。このイベントも今年で12回目となり、朝早くから長蛇の列ができ、皆さんの関心の深さを窺い知ることができました。
 館内では、貞奴さん愛用の雛人形や着物コレクションに、感嘆の声が聞かれ、興味津々の様子でした。「これは?」「すごいねえ!」「手書き?えっ本当なの」などの感嘆の声があちこちで聞かれ、しばしば人だかりが出来ていました。こんな状況の下、当会メンバーのガイドは一層熱を帯びているようでした。

 大広間で行われた「和三昧」では、名古屋の伝統芸能「正調名古屋甚句」の中、本邦初公開となる貞奴さん愛用の三味線で「貞奴甚句」が演奏されることを知ると、会場からは一斉に歓声が沸き上がりました。フッと貞奴さんの姿がダブったのは私だけでしょうか?

 舞踊ではしっとりと舞う姿に魅了され、落語の語り口に大きな笑いの渦が波打っていました。「マリンバ」演奏では、明るく楽しいメロディに老若男女が拍子を取りながら、楽しまれる様子はとても微笑ましく、皆さんの笑顔が印象的でした。和と洋の素晴らしいコラボレーションに、誰もが至福の時を過ごされたのではないでしょうか。

 また、3月26日まで「没後10年 エッセイから読み取る素顔の城山三郎」展を開催しております。普段見られない資料やゴルフ道具なども展示され、新しい城山三郎さんに会えるかもしれませんよ。

 3月11日には、名古屋で最初に咲くといわれる桜並木を楽しむ企画「早咲き!桜みちまつり2017」も開催されます。一歩一歩、春の足音が近づいてきているのでしょう、「はる」の響きに、肌を刺す風も心なしか和らいできているように感じますが、いかがでしょう!!
 二葉館の歴史やイベント詳細についてはこちらからご覧ください。

CIMG7001列 CIMG7026格式の高い一揃え
  早くから列が・・・   格式の高い一揃え
CIMG7003羽織 CIMG7120満員御礼?!
     羽織と帯    満員御礼?!
CIMG7092貞さんの三味線 CIMG7099端唄
 貞奴愛用の三味線紹介     端唄・甚句演奏 
CIMG7111舞踊 CIMG7078落語
    妖艶な舞   笑いの渦が・・・

 注1:平成17年(2005)2月8日開館。会館の愛称「二葉」と語呂が合うことから「ふたばの日」として毎年催事を開催している

 

 

 

 

文化財を訪ねて 長久寺庚申塔

 白壁町三丁目にある長久寺に「名古屋市指定文化財(有形民俗文化財)」の庚申塔があると聞き訪ねてみました。
 文化財には、以前ご紹介しました県庁・市庁舎・市政資料館のような「国指定重要文化財」、その他「県指定文化財」「市指定文化財」などがあり、またそれが細分化され登録されています。東区にも多岐に亘る貴重な文化財が指定され保存されています。

 長久寺は清洲越しのお寺で、名古屋城の鬼門鎮護の役として城から東北に据えられたそうです。遡れば松平忠吉が武蔵国忍城で城主であった頃に祈願所とされたのが始まりとのことで、その後も歴代藩主から手厚い保護を受けていたそうです。本尊は木像不動明王像で、智澄大師円珍(空海の甥)の作と伝えられています。明治4年には、藩廰(はんちょう)の布告により、名古屋市内では初めて小学校となった由緒あるお寺のようです。
 また、川上貞奴は二葉御殿(注2)仏間に祀っていた不動尊を、長久寺に寄進しているそうです。

 惣門(山門)は清洲城の裏門が移建されたものといわれ、これも「市指定文化財」となっていて、構造形式は三間薬医門に属するものとのことです。
 この長久寺の前庭中央に、目指す庚申塔はありました。祠の中央には頭の尖った石碑に青面金剛(本尊)が、うずくまった鬼の上に立ち、勇ましい顔をして三猿(見ざる、聞かざる、言わざる)を従えて立っています。この庚申塔は、庚申信仰(注1)の伝わり方を示す資料として、昭和53年4月27日に指定されています。また刻銘に寛文8年(1668)武州上之町とあり、台座には8人の名前が彫られていますが、永い間、風雨に晒された為、はっきり解読する事は難しい状態でした。
 空襲被害も免れ、惣門(山門)、庚申塔、本堂は当時の建物が今も残る貴重な寺院であることも知りました。御朱印をいただきながら、貴重なお話を伺うこともでき、折からの寒さも忘れさせてくれた冬の1日でした。(長久寺庚申塔の縁起・案内書、ひがし見聞録、名古屋市暮らしの情報参照)

CIMG6766山門 @CIMG6774本堂
  清須越しの惣門       本堂
CIMG6772庚申塔 @CIMG6780庚申アップ
    庚申塔  青面金剛、三猿
@CIMG6775大師堂 @CIMG6777お地蔵様
    大師堂  境内にはお地蔵様が・・

注1:庚申待(こうしんまつり)の謂われは、人間の腹の中にいる虫が、庚申の夜、天の神に罪禍を告げないように、庚申様の前に集まって朝まで語り明かし、災厄を避けるというもの
注2:現在は文化のみち二葉館(東区橦木町3)として移築、復元されている。詳細はこちらからどうぞ

秋の彩りを求めて

 桜紅葉(さくらもみじ)という言葉をみなさんはご存知でしょうか?桜って紅葉するの?そんな素朴な疑問から・・・晩秋の町を散策してみました。
 名古屋市内で最初に咲くと言われている「オオカンサクラの並木(注1)」、桜は春のものと思いきや、秋にも見事に色づいていました。鮮やかな原色と言うわけにはいきませんが、折からの風にも負けじと多くの葉が揺れていました。「紅葉の 色きわまりて 風を経つ 」(蕪村) の句のような鮮やかな紅葉(もみじ)、イチョウ並木の黄葉(銀杏黄葉)に目を奪われがちですが、少し視点を変えて散策してみると、初紅葉(はつもみじ)、草紅葉(くさもみじ、注2)、満天星紅葉(どうだんもみじ)・・・など日本の美しい言葉の主に出会うことができます。そして足元でも色が織り成す新しい世界を発見することもできます。路の片隅でひっそりと、そして美しく色づく雑草の営みにしばし目を奪われていました。
 友人から落ち葉「袢纏木(はんてんぼく)」の名を聞き、思わず葉を手に拾いあげていました。葉の形が袢纏に似ていることから命名されたユリの木の別名ですが、なるほどと納得、そして感心することしきりでした。ユリの木には、まだまだ他の呼び名もあるようです、みなさんでもお楽しみください。
 季節の微妙な変化、絶妙な呼称、深まりゆく秋、人の感性に一番フイットする時節なのでしょう。 喧騒の中で過ぎる日常ですが、時には心静かに立ち止まって、過ごしてみてはいかがでしょう。

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  桜紅葉(桜並木)   公園を色取って・・
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     満天星紅葉       草紅葉
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   袢纏木も一役    見事なコントラスト

注1:東区泉2丁目と3丁目を隔てる南北の道路 
注2: 雑草類など草木類の紅葉

歴史を語る、牛馬用水とムクノキ

 テレビや新聞の報道で、世界的に異常現象が続発していると報じています。日本でも、今までにないコースを通る台風、北海道や岩手の集中豪雨などがあり、各地に甚大な被害をもたらしました。これだけ科学が進歩を遂げても、自然の前ではいかに無力かを思い知らされるこの頃です。
 そんな現代に、東区にも古い歴史を見つめながら、語り続けられている遺産が多くあります。今回はその中で、新出来町線沿いにある二つをご紹介したいと思います。
 その一つは、金城学院高等学校(白壁4)の校内にはある牛馬用水です。
 これは、昭和3年動物愛護運動に熱心なフローラー・バンス女史の寄付により造られたものです。かっては、道路に面した西洋館(宣教師宿舎)の赤煉瓦の塀をくりぬいて、この通りを行き交う牛馬の喉を潤し、汲めども尽きないキリストの生命の泉を思いださせてくれる町の名物であったということです。道路拡幅に際し学院内の噴水池に移設されましたが、今も校内の一角から静かに歴史を見守り続けています。(金城学院HP,当会資料参照) 
 もう一つは、金城学院高等学校西隣のM氏邸の前にあるムクノキの大木です。道路に張り出し悠然と聳え立つ下を、人や車は何ごともないように通り過ぎていきます。元々は敷地内にあった木だそうですが、こちらも道路拡幅という時代の要請もあり、伐採・移転の対象となったようです。しかし、白龍さん(白ヘビ)が棲むというご神木であることから、そのまま街路樹として残されることになり、今もご家族によって大事にお祀りされていると伺いました。ここに最近標識が設置され、「何で道路に張り出しているのかな?」と不思議に思われた方へ、また将来に歴史を正しく伝えるために、その経緯が記されています。一度ゆっくりご覧になってはいかがでしょう。今まで見えなかったことや、懐かしいあの頃が蘇ってくるかもしれませんよ。ムクノキについてはこちらからもどうぞ

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左端にあるのが牛馬用水 今も水をたたえる牛馬用水
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道路を覆うムクノキ 新設された標識

 

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開館日とガイド実施時間

◆旧豊田佐助邸
月曜日休館(祭日が月曜日なら翌日)
開館時間: 10:00~15:30
ガイド常駐日:火、木、土
◆文化のみち二葉館
月曜日休館(祭日が月曜日なら翌日)
開館時間: 10:00~17:00
定時ガイド: 火、木、土
10:45、13:20の2回
30~40分
◆徳川園
月曜日休園
開園時間: 9:30~17:30
定時ガイド: 金曜日
13:00~15:30

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